重心定理を使って2016年の東大の前期試験の化学の問題を解いてみた。

 東大クラスの入試問題になるとあまり時間短縮の効果は無いが、それでも、安心して立式できることは、大きいと感じた。

 

 第1問

 1

 ウ

 まず、溶質であるNa2SO4の質量をxg、溶媒である水の質量をygとおく。

 条件1より、重心定理から、

 45×y=100×(x+10)

 条件2より、同じく、重心定理から、

 20×(y-18.0)=100×(x-14.2)

 の式が、導出され、連立することで、yを消去し、xを求める。

 溶質であるNa2SO4の質量xg=27.08g

 求める、Na2SO4・10H2Oの質量x’g=27.08g×322/142=61.40676g=61g

 残る溶媒の質量y’g=82.4g-27.08g×180/142=48.07324g=34g

 である。

 感想としては、やはり、東大であり、立式自体は簡単なもののちゃんと連立方程式を解かないと解けないものであり、記述に不安がある学生には、

 是非、取って欲しい問題である。

 問題を解く手順としては、簡単に立式だけして解答欄に書いておけば、記述問題の前に、計算すれば十分であろう。

 時間としては、立式時間、計算時間を入れて、5分以内に解ければ問題ないと思う。

 2

 キ

 条件と、重心定理より、

 0.10mol×0.35/0.65-0.031mol=0.0228461mol=2.3×10-2mol

 0.10mol×0.15/0.65=0.0230769mol=2.3×10-2mol

 となる。

 感想としては、東大とは思えないほど簡単な問題なので、落とすことはありえないといえる。

 問題を解く時間としては、2分が妥当なところである。

 

 第2問

 1

 イ

 条件より、

 4/3×π×(√3/8×a)3×8/a3×100%=√3/16×π=33.95125%=3.4×101

 感想としては、この問題も、東大とは思えないほど簡単な問題なので、落とすことはありえないといえる。

 問題を解く時間としては、2分が妥当なところである。

 オ

 条件より、

 23g×12/4=69g=6.9×101

 感想としては、特に、問題は、東大とは思えないほど簡単な問題なので、取ることは必須といえる。

 問題を解く時間としては、1分が妥当なところである。

 

 第3問

 2

 コ

 c

 条件より、

 [L1]=0.8/0.2×1/KL=4/KL

 感想としては、東大とは思えないほど簡単な問題なので、落とすことはありえないといえる。

 問題を解く時間としては、1分が妥当なところである。

 e

 条件と、重心定理より、

 [R]:[RL1]:[RL2]=0.025:0.100:0.875=1:4:35

 よって、

 [L2]=35/1×1/KL2=35/KL2=35/1000×1/KL1=0.035×1/KL1=3.5×10-2×1/KL1

 感想としては、なるほど、東大といえる問題であり、本来は、条件から色々と思考させられる問題ではある。

 ただ、薬学部出身者としては、競合的阻害薬による薬物のタンパク結合率への影響を計算する基礎的な問題であり、

 薬学部の学生であれば、問題を解く時間としては、3分が妥当なところである。

 ただ、受験生にとっては、慣れないところもあるだろうから、問題を解く時間としては、5分くらいは、かかっても問題ないであろう。

 

 以上、東大の問題を解いてみたが、計算問題の2/3程度は、教科書の章末問題レベルであり、

 残りは、1/6が、計算自体が手間取る問題と、1/6が、平衡に関する理論の理解度を問う計算問題が占めていた。

 よって、東大を受験するに当たっては、化学に関しては、教科書の徹底理解、徹底暗記が最重要であり、

 その上で、知識の裾野や、計算問題のパターン化を、進めていけば十分と思われる。

 東大の問題を解いてみて、東大の先生方の計算過程や、問題文の隅々まで、配慮が行き届いていることから、かなりの労力をかけた上での、工夫の跡が伺える。

 東大受験生は、その恵まれた問題文の環境の中で問題を解くことになるので、基本的には、落ち着いて問題を解いていただければ、点数は、取れるはずである。

 

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