化学計算の速算法であるが、垂心と外心で利用した重心定理を利用することで簡単に計算することが出来る場合がある。

 重心定理とは、本来、物理の力学の概念から来ているが、化学計算においても適用可能で適用分野としては、化学反応式立式(イオン反応式を含む)、電池、

 平均分子量、易溶性塩、気体がある。

 また、化学計算として、この重心定理の適応分野から外れるものとしては、配位数、密度、熱化学方程式、反応速度、化学平衡、難溶性塩、異性体数がある。

 これらの重心定理の適応出来ない分野については、パターン化した上で、それぞれ適応条件を見ながら計算していくだけなので、必要事項を暗記していただければ、

 計算過程が大変なだけで、特に問題は、無い。

 計算ミスが気になるというのであれば、インド式計算法を使って検算すればいいだけだし、密度に必要な3乗の計算の速算の仕方については、3乗の公式と、

 大学入試での化学での有効数字が最大3桁なことから、近似を使っていただければ、すぐに計算できるはずである。

 四則計算については、インド式計算(そろばんに慣れているようであれば、そろばんの暗算の方が、更に計算が速いが、そろばんにある程度、

 習熟していることが必須条件なので、受験期の短い期間で、計算速力を上げることは困難である)を利用していただければ、

 4桁の乗除計算が、1回あたり、1分程度あれば、十分に解けるはずである。

 

 それでは、実際の問題で、計算してみることにしよう。

 まずは、受験生にとってトップクラスの計算量となる結晶水を伴う場合の問題を解いていくことにしよう。

 まず、条件として、CuSO4(無水物)の30℃での溶解度が、25.0gであり、まず、最初に、30℃のCuSO4の飽和水溶液がある。

 この水溶液を、30℃に温度を保ちながら、水を蒸発させたところ、減少した質量は、54.8gであった。

 この時、析出したCuSO4・5H2Oの質量は、何gか。

 重心定理より、54.8g×50/110=24.9gである。

 自分で試しに問題を解いてみたが、簡単すぎて(2分も掛からなかった)、なんとも言えない気分になった。

 自分が現役の時は、求めるCuSO4・5H2Oの質量をxg、CuSO4の飽和溶液の質量を、ygとおいて

 質量保存の法則から、

 飽和溶液中の無水物の質量=析出後の飽和溶液中の無水物の質量+析出した結晶中の無水物の質量

 の式を立式し、

 y×(25.0/125)=(y-x-54.8)×(25.0/125)+x×(160/250)

 の式を解くという(CuSO4の飽和溶液の質量ygをまともに求めようとすればドツボにはまる。続いて、ちゃんと数式内でyが消去できることを自信もって言えるには、

 受験生には、経験値が不足している場合が多い。なので、また、ygを求めようとする悪循環に陥る)、

 今から思えば、気の遠くなるような面倒な計算過程を経て、問題を解いていたことになる。

 少なくとも、xとyという2変数から解放されるというだけで、大幅に立式と計算のストレスが減ることだろう。

 

 化学計算 従来型

 

 重心定理 計算概略図

 

 重心定理 比較

 

 この例からも分かるように、重心定理は、数学、物理、化学、生物、地学の計算分野でそれなりに有用であり、

 他の分野での現象、理論を、他の分野で役立てることの意義が分かってもらえるかとは思う。

 特に、数学、物理については、現象が単純明快であり、その数式も美しいものが多いことから、その数式、現象の原理を理解すれば、

 他の分野に適応可能なことを、意識して欲しいと思う。

 

 最後に、結晶水を伴う飽和溶液の実用例をもう1つ示しておくことにする。

 よくあるパターンなので、私の提示している数式が理解できる学生にとっては、福音になると思う。

 もしも、仮に、私の方の指導を希望する場合は、薬学部の学生を個別指導で対応している予備校にあたっていただいて、薬学部にもかかわらず、

 数学、物理、化学、生物、地学、現代文、地理、政治経済、現代社会など多数科目が指導可能(ただし、英語は、除く。ココ、重要)な先生を聞いていただければ、

 多分、たどり着けると思います。

 ただ、既に、薬学部の個別指導の学生で講義枠が、ほぼ、満杯なので、受け入れるとしても、後、1~2人が、限界です。

 それでは、始めましょう。

 まず、条件として、CuSO4(無水物)の80℃での溶解度が、55.0g、20℃での溶解度が、20.7gであり、

 まず、最初に、80℃のCuSO4の飽和水溶液100gがある。

 この飽和水溶液を20℃まで冷却するとCuSO4・5H2Oは、何g析出するか。

 まず、重心定理より、100g×(1-301750/141370×11050/38750、約分してから計算するだと、1-30175/14137×221/775)=39.1(33)g

 (近似式では、100g×(1-2852/4685)=39.1(24)g)となる。

 

 重心定理 計算法概略

 

 大体、立式と、計算には、4分程度を見込んでいる。

 もしも、それ以下の時間で、有効数字3桁まで解答を出せる人がいれば、その人は、かなり、優秀である。

 続いて、この計算結果を見る場合、有効数字が3桁の場合、大体、4桁まで計算していれば、四捨五入でずれが生じるのは、

 4桁目以降が、45を中心として、計算誤差が、大体、10%程度である。

 大きく見積もったところで、計算誤差は、20%程度なので、計算結果が、1回目の乗除計算で、

 4桁目以降が、40~60の範囲内にある場合を除いて、ほぼ問題ないといえる。

 入試化学において、有効数字が3桁の場合において、多くの場合、計算スピードと、その正確性が要求されるので、

 20%程度の誤差にこだわるのは、非常に、もったいないことといえる。

 それならば、4桁程度の四則計算に抑えておいて、検算を通して、その計算の精度を上げたほうが効率的といえる。

 であるので学生には、速算術の習得と、検算の時間の捻出に時間を置いてもらっています。

 一応、質量保存の法則から出来る式も載せておくが、数倍の時間が掛かるので、この方法では計算しないことをお勧めする。

 80℃の飽和水溶液中の無水物の質量=20℃の飽和水溶液中の無水物の質量+析出した結晶中の無水物の質量

 55.0×(100/155)=20.7×(100-x/120.7)+x×(160/250)

 式を見てもらえば分かるが、通分した上でxの係数を求め、残った整数の項を左辺に移行するなどの計算は、可能だけど煩雑すぎてしたくない。

 

 化学計算 正攻法

 

 重心定理

 

 後、問題演習についてですが、化学については、化学の新演習(300問程度)を1問20分(問題演習15分+答え合わせ5分)程度で解いていただければ、

 1日3時間として、40日くらいで、1周出来ます。

 物理については、難問題の系統とその解き方(300問程度)を、1題30分(問題演習20分+答え合わせ10分)程度で解いていただければ、

 1日3時間として、50日くらいで、1周出来ます。

 数学については、1冊で全てを完璧に出来る本がないので、生物、地学については、1冊で全てを完璧にすることの出来る問題集が、現時点では、無いし、

 問題を解く上で、物理や、化学ほど時間を要するものではないので、割愛させていただきました。

 

 最後に、この問題は、三上豊男先生が書かれた「演習中心スグ解ける化学ⅠBⅡの計算法」の問題を参考に、数値などを引用させていただいております。

 何か問題がありましたら、問題文、数値等、変更させていただきますので、件名(タイトル)に、三上豊男を入れていただいて、

 pontamurai@yahoo.co.jpまで、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 密度計算の速算法

 密度に必要な3乗の計算の速算の仕方について、載せました。

 興味のある方はどうぞ。

 

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